「ハリウッドで映画をつくる!」 映画の好きな人は一度は夢見たことがあるかもしれません。我々もその夢を持ち今実際に行っている者たちです。誰にでもできる簡単な事と軽く言うのは語弊になります。しかし今我々が証明してるように不可能ではありません。もちろん成功するには様々な要素が必要です。感動させる素晴しい脚本、選び抜かれた役者たちの名演技、いい味出せる才能ある監督、また作品内容に共感し、リスクが伴うその製作費を提供し、協賛してくれる投資家達。さらに産業経済の動きと流れを理解する作り手達の教育、知識、経験、業界のコネ。また回りからのサポート、クリエイティブを生みだす能力、精神的な強さ、タイミング、やる気、粘り強さ、我慢強さ、コミットメント、体力、スタミナ、行動力、ビジネス計画力…切りがありません。
独りで描く画家と違って映画作りは様々な人達が絡み合って作り上げていくアートでもあります。色々な分野のアーチスト達とぶつかりあい、協力し合うのです。原作者、脚本家、監督、プロデューサー、撮影監督、美術監督、衣装デザイナー、照明監督、編集者、食事係、ドライバー、現像所、作曲家、配給者、劇場興行主、映写技師、等々達の血と汗と涙の賜なのです。
「映画」きらびやかな世界に思われがちですが、製作準備、撮影、編集、マーケティング&プロモーションという過程の中で色々な人達と関わっていくのですから時には議論したり摩擦が起き、ストレスがたまったり、傷ついたり、悲しんだり、怒ったり、それは精神的なジェットコースターに乗ってるようなものです。ではなぜそうまでもして映画を作るのか? そういう苦労を乗り越え、やっとのこと完成し、観客一杯の劇場の大きなスクリーンで上映され、お客達から笑い声がたち、泣き声がしたり、エキサイトしたり、拍手がおこったりした時の感動はそれは説明できない満足感を感じます。興行的に当たれば、名声、お金がついてくるかもしれません。しかしそこに辿りつく段階を経て皆とわかちあえる経験が至上の成功と言えます。
「つくるだけ」なら誰でもできます。ただ家族、友達だけに見せて喜んでもらうだけでは趣味でホームビデオを回せばいいのです。芸術的創作をとことんまで追及し、商業映画としてビジネスでも成功を目指すのが目的です。そしてなによりも世界中のより多くの人達に見てもらうことが大切です。
CUP題してカップ= Creativity、Uniqueness、Passion
Creativity:クリエイティビティーは本能的なものでもあるし、経験努力し工夫することによって洗練される。クリエイティブ・ジュースと言って常に刺激する感情を維持することが大切。それは今流行物を注目するだけでなく、過去の作品や、他の人の作品を観ることであったり、美術館に足を運んだり、本を読んだり、異種の業界の人と話したり、旅行したり、瞑想したり、運動したり、発想のきっかけを作るオープンな心が必要。
Uniqueness:ユニークな作品を目指すためにはプロダクション・バリューを上げることが必要。プロダクション・デザイン、セット・デコレーション、衣装にも力を入れ、クリエイティブを駆使しカラフルな作品に。ミュージック、サウンドも重要な要素。ユニークにするためにはアメリカ人の知らない日本の文化的なもの、教え、神話、伝説なども映画作りに最大限に活用すべき。
Passion:UCLAの映画学部で学んだ卒業生は30人のうち一人の割合でハリウッドでディレクターとして生き残る統計が出てる。「パッッション(やる気、意気込み)」でとにかく作品を作ること。そして次なる作品につなぐ。負けない映画への情熱を常に持つことが大切。良い作品は時代を超える。現在のマーケットの動き、流行の傾向をリサーチし把握するが、脚本の神様ウイリアム・ゴールドマンの有名な「誰も何もわからない」という言葉通り、作ろうとする作品の選択は最終的には「直感」がものをいう。